Impressions
ドイツの7人組メロディック・ゴシック・メタル・バンド REGICIDE(「国王殺し」という意味)の、2枚の自主制作を経てリリースされたメジャー・デビュー・アルバム。
その抜きん出た表現力/歌唱力をパワーと癒しの両面で露わにする逸材♀シンガー Frauke Richter 嬢と、ふくよかな中低音をエロティックに響かす実力派♂シンガー Timo Sudhoff のイーヴンなデュエットをフィーチュアしたドラマティック・サウンドは、BMG のメジャー流通網に乗るのが納得の驚くべき完成度。
NIGHTWISH, WITHIN TEMPTATION に通じる重厚なシンフォ・ドラマに LACRIMOSA に通じるベタベタでコテコテな歌劇的色合いを盛り込み、ドイツのドメスティック・バンド特有のストイックな暗さで纏め上げたシアトリカルなモダン・シンフォ具合は、聴いてて誰かが思い浮かんでくるんだけど・・・・そう、この雰囲気はかつての DREAMS OF SANITY が進化したかのようだ。(懐)
全体的によく計算された堅めの音像の中で、全編で鳴り渡る美貌の専任ヴァイオリニスト Jonna Wilms タンと優美なピアノの響きを切なくコントロールする鍵盤奏者 Heiner Jaspers が塗布するアーティスティックな愁いが、英国田園プログ/ポンプ・ロック的な気負いなく拡散する柔らかな風合いを運んできているのもメチャ嬉しいね。
壮麗にスピード・ドライヴする場面のエネルギーが眩しい #3 "The Fragrance"、シアトリカルな劇的ヘヴィ・チューン #5 "Mastery Demise" らのハイライトに混じって、アコースティック・バラード #8 "Along the Way" では真性耽美ゴシック(しかも辺境系)の悶々たる萌え光線をも放射しているのも、これまた頼もしいったらありゃしない。
どうやらツアーも精力的にこなしているようで、今後しばらくはこの REGICIDE の活動から目が離せない感じ。いや~、いいバンドが出てきたわ、ホンマ。(^^)
(Apr. 02, 2005)