Impressions

ILLNATH / Cast into Fields of Evil Pleasure (2003)

投稿日: 2003/03/20

デンマークのメロディック・デス・メタル・バンド ILLNATH の 1st フル・レングス・アルバム。

正統ヘヴィ・メタル系メロディック・デスと激烈ブラストが炸裂するブラック・メタルとの丁度中間あたりに位置する非常に聴き易いスタイルで、Arter Meinild (key) の DIMMU BORGIR 的なキーボード遣いが呼び込むシンフォニックな美しさ、浮遊する女声の見事なアクセント、そして Peter Folk (g) の弾くメロメロな哀愁を撒き散らすソロイスト・タイプの悶絶ギターの激情の迸りに半端じゃなくグッと来ちゃうという、驚きの完成度。

シンガー Björn "Narrenschiff" Holter のスクリームからグロウルまで多彩な表現を駆使した見事なデス歌唱もなかなかの凄みで、時折見せる Dani Filth 的色合いが感じさせるシアトリカルな趣きが全体を CRADLE OF FILTH っぽさで包むこともしばしば。(モチいい意味でね。)

楽曲も実によく出来てて、特に #1 "Zetite", #2 "Behind the Mirrors", #3 "Cast into Fields of Evil Pleasure"(イントロが限りなく JUDAS PRIEST"Hellion"!/苦笑)という冒頭三曲は、もし CD 店の店頭で流れてたらメロディック・デス・メタル・ファンのほとんどは興味を示すんじゃないか?ってほどにマジで超強力。

プロダクションもカナリ良好だし演奏も安定しきってるしで、こりゃ今後に超注目の新星の登場ッスわ。

ちなみに、今回買ったのは2001年にリリースされた6曲入りデビュー MCD "Angelic Voices Calling" を封入した初回限定盤の2枚組バージョン。こっちも単なるオマケ以上の良さでシタ。(嬉)
 (Mar. 09, 2003)

満足度 : 89
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