Impressions
フィンランド産メロディック・メタル・バンド DREAMTALE の 3rd アルバム。
いやはや、化けた化けた! 本作から新たに加わったニュー・シンガー Jarkko Ahola が堂々と響かす強靭なワイド・レンジ歌唱を圧力高く封じ込めた結果、以前から内包していたクッサい美麗劇メロと楽曲パターンの豊富さが見事に開花したかの楽曲群は、これまでの煮え切らなさが嘘のように魅力的に響く響く。
新生への意欲が漲るスピーディな剛健オープニング・チューン #1 "Lost Souls" とそれに続くイントロから既にガッツポーズ必至のキラキラ疾走が映える #2 "Wings of Icaros" らの得意のスピード・パートを充実させると同時に、LORDI にも通じる 80's MTV テイスト(+やや唐突なアイリッシュ風味)が美味しいキャッチーな #3 "New Life"、Jarkko のパワー一辺倒ではないメロウな魅力が発散する感涙アコースティック・バラード #7 "Sail Away" らのミドル~スロー・チューンもバランス良くレベル・アップさせているのが超ナイス。
それにしても Jarkko Ahola、いいシンガーだなぁ。高音域での気張ったガナりは My 好みからするとやや押しが強めの印象を受けるけど、その自信に満ちたしっかりと芯のある安定した歌唱の、バック陣の相変わらず稚拙な直線的プレイアビリティを補って余りある存在感の強さはホンっト頼もしい限り。
もちろん、この DREAMTALE を語る際に忘れちゃいけない“お家芸”のパクリッシュ・テイストも、訴訟寸前に SONATA ARCTICA(笑)な #6 "World's Child"、なんとなくしかし明らかに STRATOVARIUS な #9 "Secret Door" などこれまで同様に確実に散見できるんだけど、それらのパクリッシュな印象を上回る魅力&勢いの前には「愛すべきファニーな要素」として微笑ましく楽しめるですわ。
この飛躍で、少なくとも THUNDERSTONE と同格にはなったかな?
(Feb. 23, 2005)