Impressions
DEEP PURPLE / =1 (2024)
投稿日: 2025/08/08
Ritchie BlackmoreがDEEP PURPLEで活動したのは、1968年の結成から1975年までと再結成後の1984年から1993年までの通算16年間。それを遥かに上回る1994年〜2022年の28年間にわたりDEEP PURPLEのギタリストとして大きく貢献してきたSteve Morseが、重病の家族の傍にいたいと脱退。本作はそのSteveの穴を埋めるツアーメンバーを経て正式メンバーとなったSimon McBride(元Sweet Savage!)を迎えた“第10期”に数えられる新体制での新たな門出となる通算22作目のスタジオ・アルバムだ。
Steve Morse時代の各作品は一聴してSteveのものとわかる鮮烈なプレイを鍵としてその時代に合った個性を模索していた印象だったが、本作では「今」のDEEP PURPLEの自信と挑戦を自然体で封じ込めつつ、原点回帰も想わせるムードの作風となっている。
北アイルランド出身の新ギタリストSimonは、Ian Gillan(vo)やDon Airey(key)ともプレイ経験がある強者で、DEEP PURPLEの良さをファン目線で引き出す老獪なセンスと鮮烈な現代的テクニックを両有する逸材オールラウンダー。年輪を重ねた成熟に満ちながらも70代後半に突入したとはとても思えない驚異的なパフォーマンスを連ねる従来メンバーと、40代中盤のサイモンの新たな存在感の化学反応は非常に活発で、アーティスティックでプログレッシヴな極上クラシック・ロックの傑作となった本作は、Ritchie不在の編成による作品の中では最高傑作と言ってしまっても決して過言ではないだろう。
満足度 : 90%