Impressions

PORCUPINE TREE / Fear of a Blank Planet (2007)

投稿日: 2007/06/20

UKネオ=プログレッシヴ・モダン・ロック・バンド PORCUPINE TREE の9thアルバム。

PINK FLOYD にメタリックなアタックとギター・ロックの躍動感を加えた質感が発する、英国らしい曇り空の色に染まった「淡白なジワジワ感」は、今回も変わらぬ美味しさ。「引きこもり」というテーマに合わせて楽曲の鬱度は益々アップしてるんだけど、Steven Wilson (vo, g, etc.) のライトでナイーヴな声色が齎す「軽さ」のためか、その鬱気は充分に暗く渦巻きつつややドライな感触だ。ま、その暗さと軽さのバランス感覚の絶妙さが PORCUPINE TREE のイイトコなんだけど。

個々の楽曲の食い付きの良さは前作 "Deadwing" に軍配が上がるが、このバンドには楽曲云々というよりは安穏と混沌が交錯する全体的なムードに魅力を感じているので、それは全く無問題。本作では顕著なのは2006年11月の来日公演でもこの身を直撃した暗鬱なる抑揚コントロールの見事さで、Alex Lifeson (g/RUSH) もゲスト参加した17分超の鬱大作 #3 "Anesthetize" にて表現力に長けた円熟のプレイアビリティを持って濃淡を描き分ける様は圧巻。

しっかし、手数がグルーヴを生んでる Gavin Harrison (dr) のドラミング・・・超イイネー! ワタクシ、久々にハイハットの刻みだけでエクスタシーに達してしまいました。(惚)

 (Jun, 13, 2007)

満足度 : 82
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