Impressions
実力派メタル・シンガー Rob "The Voice of Melodic Metal" Rock の3枚目のソロ・アルバム。
ソリッドなエッジの剛健ヘヴィ・メタル・ベースに、適度にテクニカルな抜群の演奏力と Rob のストロングなハイ・トーンがキャッチーでエモーショナルな旋律美を与えた強靭なサウンドは、メロディック・ヘヴィ・メタルに必要な各要素を絶妙な配合バランスで封じ込めた理想的な形態。
クラシック・メタルのツボを知り尽くした Roy Z プロデュースならではの、JUDAS PRIEST や IRON MAIDEN らのルーツが現代的なヘヴィネスと技巧を順当に備えたかの音像は素直にカッコよくて、前作と比較してもワン・ランク上だと思えるものだ。
その大きな理由はやっぱ演奏陣の充実かな。ドラムの Bobby Jarzombek (ICED EARTH, SPASTIC INK, ex-HALFORD, RIOT) が超強力なのは言わずもがな、筋金入りのネオ=クラシッカー Carljohan Grimmark (g/NARNIA) の固唾を呑まざるを得ない流麗極まりないスピード・プレイとそれに一歩も引かぬ Roy Z 自身のパッショネイトなスーパー・プレイの激情コンビネーションが生み出す極上のカタルシスは絶品!
もちろん楽曲的にも、キャッチーなメランコリーが響くまさに“Rob 節”な #3 "Calling Angels"、前作でのヒーロー Rick Renstrom (g)の客演が嬉しいアグレッシヴなタイトル・トラック #4 "Holy Hell"、IMPELLITTERI 時代の名曲のセルフ・カヴァー #6 "I'm a Warrior"、昨年亡くなった彼の父にささげた穏やかなバラード #7 "I'll be Waiting for You"、ドラマティックなイントロに心が震える #8 "When Darkness Reigns"、そして EDGUY, AVANTASIA の天才パフォーマー Tobias Sammet (vo) をゲストに迎えた思わず涙の ABBA の胸キュン・カヴァー #10 "Move On"・・・と、前作以上に粒揃い。
アートワークもナイスだし、オレ内では Rob Rock の多くのキャリアの中で JOSHUA "Intense Defense", M.A.R.S. "Project:Driver" と並ぶ位置まで来るね、コレは。
(May 18, 2005)