Impressions

MOONSORROW / Kivenkantaja (2003)

投稿日: 2003/03/20

凍てついた湖畔で鎖帷子に身を包み剣を掲げる5人の戦士・・・フィンランドの抒情派真性ヴァイキング・デス・メタル・バンド MOONSORROW の 3rd アルバム。

全ての楽曲の作曲とキーボード、リズムギター、マウスハープ、アコーディオン、クリーンヴォーカルなどマルチに担当する中心人物 Henri Urponpoika Sorvali は、FINNTROLL でキーボード&オーケストレーションを担う Trollhorn その人。

個人プレイは控えめに、バンドが一丸となって民謡クサいメロディをシンフォニックに綴るドラマティックな中世北欧世界はある意味 THERION 的な大仰さすら感じられる壮麗さで、前作 "Voimasta ja Kunniasta" はその質の高さに驚嘆しつつも全体になんだか平坦に聴こえてしまってイマイチ響いてこなかったんだけど、本作も6曲で53分という前作同様の大作指向にも関わらず、さらに緩急を増したその極上の叙情世界は一切冗長に感じることなく心を揺さぶるわ。

BAL-SAGOTH に迫る勢いでの大仰さが圧巻の #3 "Jumalten Kaupunki - Tuhatvuotinen Perinto (City of the Gods - Legacy of a Thousand Years)" に代表される、哀しき漢声クワイア全開の勇壮なる一大ヴァイキング絵巻に耽溺しつつ、その最後を飾る #6 "Matkan Lopussa (At the Journey's End)" で、ゲストの Petra Lindberg 嬢(この声はきっと「嬢」でOKに違いない!/笑)の穢れ無きエンジェリック・ヴォイスが天空より舞い降りて全てを粛清する崇高なる清らかさの前には、「悶死」以外のリアクションは有り得ないッス!

全編フィンランド語(たぶん)だけど、歌詞カードに英訳ついてるので感情移入できるのも◎。
 (Mar. 12, 2003)

満足度 : 94
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