Impressions
フィンランドのシンフォニック・メロディック・ちょいゴシ・メタル。以前は LOST IN TWILIGHT というバンド名で活動していたらしいが、本作は改名してのデビュー・アルバムだ。
たまに顔を出すデス・ヴォイスと耽美な重厚ゴシック風味が暗黒系であることを主張しているが、壮麗にヒットするキーボード・ワークに包まれた安定した勇壮なへヴィ・メタルは、イヤでも NIGHTWISH を彷彿される。
が、その NIGHTWISH との最大の相違点は「男声ヴォーカル」という点で、しかもそのシンガー Jyri Aarniva の歌唱法が雰囲気モノのニュー・ウェーヴ系囁き系なのがこの DIVERCIA 最大の特徴というか弱点というか・・・。(汗)
シンフォ・ブラックな慟哭を爆発させる #7 "To Forgive"、SONATA ARCTICA meets NIGHTWISH ってな贅沢な風味のドラマティック・チューン #8 "Hollowed"、なぜか DIMMU BORGIR な #10 "Vaya con Diablos"・・・と楽曲も悪くないし、プロダクションも細部に亘って破綻する箇所のなく丁寧にアレンジされたメジャー感に満ちたハイ・クオリティなものであるにも関わらず、歌が弱々しいためにどうものめり込めないんだよね。これが全編迫力あるデス・ヴォイスで歌われていたら・・・ってついつい無い物強請りをしてしちゃうよ。
超濃厚な内容な割りには意外と淡白な印象の一枚でしたわ。
満足度 : 76%