Impressions
SABER TIGER / Paragraph 3 Museum (1998)
投稿日: 1998/09/20
過去の資産を焼き直すことに一体どれほどの意味があるのだろう。私はこの Paragraph シリーズが SABER TIGER のレコーディング・アーティストとしての存在を曖昧なものにしているような気がする。
確かに SABER TIGER は強力無比なバンドだ。デビュー前に残した音源の数も半端ぢゃないし、それを聴きたいファンの気持ちも解らなくはない。しかしワールドワイドでの評価を(私が勝手に)期待しているだけに、その極めてインディーズ的な手法にはなんか違和感があるんだよなぁ。
本作 Paragraph 3 でも、過去の楽曲を現メンバーでリ・レコーディングしている。ともすれば「ゴリゴリ」と言えるだろう彼等の楽曲がツインギターの独特な「潤い」と 久保田陽子 のしなやかなハイトーンで柔和された絶妙な「味」に魅力を見出していた私にとっては、木下昭仁 一人のギター用にリ・アレンジした際の減色効果と「硬質感」を増幅する 下山武徳 の救いのないガナりがけっこうツラい。 "Storm in the Sand" などは顕著な例だ。
思い入れがあるだけに "Invasion", "Agitation","Timystery" の楽曲はそっとしておいてほしかったなぁ。
満足度 : 71%