Impressions

NAGLFAR / Sheol (2003)

投稿日: 2003/04/20

スウェディッシュ・メロディック・ブラック・メタル・バンド NAGLFAR 約5年振りの 3rd アルバム。

クリアな分離と音塊の壁の厚み両立させた極上のプロダクションで展開されるのは、安定しきった重厚なブラストの上で哀切なる叙情が織り込まれたそれ単体でカッコよさに満ちたリフが痙攣ヘドバンを誘いながら激しく疾走する、まさに「理想的」な北欧メロディック・ブラック。

凄まじい疾走感に満ちていながら激走するだけではなく良質のグルーヴすら滲ませるミディアム・テンポを絡めた緩急の妙の見事なサウンドは、安定感抜群の泣き系テクニカル・ギター&程よいシンフォニックな味付けによる美旋律の演出によって非常に耳ざわりの良い聴きやすさを実現しながら、ブラック・メタルならではの不穏な邪悪さを一切失っておらず、頂点近くに君臨する選ばれた者のみが持ち得る威風堂々たる風格すら感じさせている。

楽曲の出来も #1 "I am Vengeance", #5 "Devoured by Naglfar", #7 "Unleash Hell", #8 "Force of Pandemonium" あたりを筆頭に押し並べて良いものが揃ってるが、中でも特に #2 "Black God Aftermath" は文句ナシの名曲!

何より、どの曲でも存分に堪能できるシンガー Jens Ryden の情念の深みと共に弾けるようなテンションの高さを誇るデス・ヴォイスが、ゾクゾクするほどカッコイイんだよね。
全ての面においてバランスの取れた、メロディック・ブラックの傑作。

 (Apr. 16, 2003)

満足度 : 89
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