Impressions
ノルウェーの暗黒トラッド/フォーク・メタル・バンド LUMSK の 2nd アルバム。
♀シンガー Stine Mari Langstrand タンの清らかな現地語エンジェリック・ソプラノと専任ヴァイオリン嬢 Siv Lena Waterloo Laugtug タンのフォークロアなギコギコ・フィドルが、朴訥な切り口のヘヴィな低音メタル・リフの上で民族色たっぷりに舞い踊る呪術的サウンドは、前作よりもさらにその“魔族度”(笑)を UP させたようで、もはや「トラッド/フォーク・メタル」というよりは「メタル・リフを取り入れたトラッド/フォーク・バンド」と呼んだほうがしっくりくる感じ。
いきなり響く Siv Lena タンのリード・ヴァイオリンに瞬殺必至のオープニング・メタル・ワルツ #1 "Nokken"、Stine タンの激萌えジプシー・ソプラノの魅力全開なメロウ・フォーク #2 "Dunker"、暗黒ヘヴィ・リフに心地好く圧殺されるプログレッシヴ・チューン #3 "Asgardsreia"、トロンボーンのアーバンな調べが生む妙なアンバランス感も素敵な邪悪なトロールたちの子守唄 #4 "Trolltind"、朗々たるテノール・ヴォイスが毒の沼地を重厚にのし歩くヘヴィ・フォーク #6 "Perpalsa"・・・と印象的な佳曲が目立つのも嬉しく、完ッ全に辺境プログレな長閑な隙間感と密度の高いヘヴィな混沌が理不尽に交錯する様はメッチャ美味しい。
呪われた黒き古の森の奥深くで精霊たちのスピリットを味方に儀式を執り行っているかの土着的な手触りでありながら、その実、個々のメンバーの非常に高いミュージシャン・シップに支えられたアンサンブルが意外にも整合感に満ちた繊細なものであるのも大きな魅力だ。
なにが描いてあるのかよくワカランけど(苦笑)、音同様に“魔族度”の高いアートワークもイイねぇ♪
(Jun. 09, 2005)