Impressions
ベテラン・ジャーマン・ハード・ロッカー SCORPIONS の 14th アルバム。
エッジーなリフが掻き鳴るメタリックな側面が耳につくが、やはり全体的には気負い無くリラックスした、無難な大衆的ハード・ロック・・・というココ数作同様の印象だ。
が、かつての攻撃性が姿を変えた老獪な躍動感に包まれた楽曲の上で、Klaus Meine (vo) が独特の反則的な声質で浮遊させるメロディに滲む明快な哀感は、やっぱり聴いていて胸にグッと迫ってきちゃうんだよなぁ。
得意のメロウ・サイドの楽曲である #6 "Maybe I Maybe You", #9 "Through My Eyes" が際立ってイイ感じなのは当然として、実はボーナス・トラックである #14 "Dreamer", #15 "Too Far" がそれ以上に光っていたりするのが思わぬ儲けもん。
うーん、オレが SCORPIONS に求めてしまっているモノは希薄なんだけど、この Klaus の哀愁ヴォイスさえあればそれが SCORPIONS なんだよなぁ・・・とワケもなく悩んじゃったりする、物足りなさと満足感が複雑に交錯する一枚だコリャ。
(Jun. 19, 2004)
満足度 : 78%