Impressions
ご存知“Mr.北欧ヴォイス”Göran Edman (vo)、現在注力している TEARS OF ANGER 他数々の北欧メタル・アルバムで名演を遺す名手 Benny Jansson (g)、そして超絶ドラミングのみならずメロハー系のトータル・プロデュース・センスを発揮する Daniel Flores (dr / MIND'S EYE, TEARS OF ANGER, NOVAK) らを中心として結成されたスウェディッシュ・メロディック・ロック・ニューカマー XSAVIOR のデビュー・アルバム。
QUEEN をお手本にしたと容易に類推できる多彩でポピュラーなメロディック・テイストと、その穏やかな中に時折熱い炎の揺らめきを見せるテクニカル・ロック然としたスリリングなパッセージを絶妙なバランスで仕込んだサウンドは、同郷の叙情派甘口プログレッシヴ・ポンプ・メタラー A.C.T に非常に近い印象。
プリティなポジティヴ・メロディが、北欧らしい繊細な透明感に包まれて目まぐるしくもプログレッシヴ/ポンプな美麗展開を見せる様は、まさにカレイドスコープ=万華鏡的なカラフルさに満ちた圧倒的にハイ・クオリティな濃密さだ。
驚くべきは Göran Edman の幅広い歌唱法で、持ち前のナイーブなか細さを打ち出した北欧メタル歌唱はもちろん、かの David Bowie 的なエキセントリック&シアトリカルな表現までカヴァーする彼のキャリアの集大成と思えるヴォーカル・パートの充実には目を見張るばかり。
引き出しが多過ぎ(いいコトなんだけどね/苦笑)&アイデア詰め込み過ぎなせいで、全体的にはやや散漫なのめり込みにくさを感じさせつつ、ギター・パート原理主義者(笑)としては、随所で聴かれる Benny Jansson の流石のテクニシャンっぷりに頬を緩まされるのも魅力的な、良ぉーく出来た好盤ッスわ。
(Jul. 19, 2005)