Impressions
THE PROVENANCE / 25th Hour; Bleeding (2001)
投稿日: 2001/10/20
あ゛ー、ヤバイ。こういうのチョ→好きなんだよね。フルート/キーボードをも操る女性シンガーを擁する5人組スウェディッシュ・アヴァンギャルド・プログ=デス=ゴシック・メタルバンド THE PROVENANCE は、注目レーベル Scarlet からの新たな刺客。
レーベルメイトの SORG 同様の、深い造詣を持ち合わせた音楽家による円熟のヴァイヴが生む上質の泣き泣きグルーヴが心地よすぎる混沌たる哀愁ヘヴィ・ミュージックは、各メロディの即効性はやや薄めながら、プレイの端々から滲み出るアダルトな激情がボディ・ブローのようにこの身を侵す。
メタル・エッジ空気を震わすヘヴィな濃密空間にフルートが朴訥な民族色を演出し、そこのオルガンがオールド・ロックの崇高さを加味した楽曲群は、前出の SORG、そして OPETH らの孤高たる混沌世界に迷い込んだ JETHRO TULL という風情。
哀しみ色の混沌が襲い掛かるムーディーなプログレッシヴ・ミディアム "Shut Down" をはじめ、デス・ヴォイスからクリアな堂々たるシンガロング、さらにはエキセントリックなマインド・ウィスパーまで自在に操る男性シンガー Tobias Martinsson と、可憐なソプラノと力強いハイトーンを見事にコントロールする実力派女声シンガー Emma Hellstrom 嬢という2人の強力なシンガーの表情豊かな歌唱が、交わりと分離を繰り返しながら BORKNAGAR チックな暗黒の無秩序に差し込む朗々たるコーラスワークでエクスタシーを形成する様は、圧倒的なケイオスの美に輝いている。
うむ、極上の「音楽」っす。
満足度 : 95%