完全に世界に目を向けたこの国産テクニカルHM バンド VIGILANTE のデビューアルバムである "Chaos-Pilgrimage" は、SIGH,ETERNAL ELYSIUM , そして BLIND FAITH と共に、全ての HM/HR ファンにぜひ聴いてもらいたい。そして自分が日本人であることを誇りに思ってもらいたい。
複雑な展開と大胆にフューチュアされたツインギターから「激しい FATES WARNING 」ってな印象を受ける楽曲の完成度も高く、非常に安定している。
しかし何と言っても歌が凄い。「日本人にしては」ではなく凄いのだ。
HIDDEN の頃から 丹羽英彰 の日本人ばなれした歌唱には度肝を抜かれていたが、このアルバムで聴くことの出来る、彼の単なる「伸びのよいハイトーンVo」では済まされないハイパーでエポックな歌声は、とにかく聴いているだけで気持ち良くなってくる。
もちろん気になる点もいくつかある。テクニカルなフレーズを再現しようとする余り、感情移入がおろそかになる場面が多々見られるギター、発音を気にする余り、作り物の声になってしまっている箇所がある歌、突っ込むギターと対照的にもたってしまってドライブ感を損ないがちなドラムなど・・・。
しかしそれは些細なことだ。海外のバンドでもこのレベルをクリアしているバンドは希少なのだから。
日本のHM/HRは、ミュージシャン／バンドレベルでは完全に世界に追いついた。あとは露出と流通だな。