Impressions
いいね! 気持ちいい!!
震えるほどの哀しみの激情に身悶えさせてくれた名盤である前作 "Whoracle" の延長線上にありながら、積極的に新たな要素を加えつつも今まで以上に正統派HM に接近した快作だ。
いまや完全に「IN FLAMES タイプ」として定着した感のある、輪郭のはっきりとしたエッジの立った硬質なリフ&リズムの上を、美麗にして流麗なメランコリック・メロディが乱舞するというスタイルは一層の完成を見せており、まさにメロディック・デス・ピラミッドの頂点に位置するに相応しい出来を見せ付けている。
IN FLAMES のキモである Jusper Stromblad の紡ぐメロディの扇情力の高さは、既に周知のとおりだが、本作では、飛躍的に表現力を増した Anders Friden のデス・ヴォイスとの相乗効果、そして今まで以上に研ぎ澄まされたアレンジの妙によって、驚くべき事に聴いているうちに第2のシンガーが叙情に満ちた哀愁のメロディを歌い上げているかのような錯覚に度々陥ってしまうほど、聴き手の微妙な部分に迫ってくる。
楽曲も粒ぞろいで、サビでの仄かに聞こえてくるカウンター・メロディがグッっとくる "Embody the Invisible"、Aメロのムーディでメロウな歌がナイスな "Ordinary Story"、ギターソロのエモーショナルな導入部に涙せずにはいられない "Zombie Inc."、オルガンの音色が素晴らしいフックになっている "Colony"、そしてファンの期待を絶対に裏切ることはないであろう典型的Jusper 節が炸裂する "Scorn", "Coerced Coexistence"(ゲストの Kee Merchello (ex.EUROPE)のギターソロが凄絶!)、"Insipid 2000" ・・・。
いや~、いいわ! 気持ちいいッ!! コレしか言い様がないよ。