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STRATOVARIUS / Destiny (1998)

投稿日: 1998/09/20

Timo Kotipelto はよく健闘している。
"Episode" に収録された "Will the Sun Rise" での凄絶なる悲壮感に包まれたハイトーンや "Forever" でのしっとりとした叙情の質感が迫り来る歌声を筆頭に、私にとって彼の存在は STRATOVARIUS の最大の魅力であり、彼こそが今後のバンドの未来には欠かせない人材であるとまで本気で思っている。
しかし、大曲をその構成の中心に据えたこの新作 "Destiny" の中には、セクシーな歌唱で痺れさせてくれる "Venusin the Morning" を除いては、B!誌の「問題レビュー」ですら誉め過ぎに感じるほど退屈なモノだった前作 "Visions" と同様に Timo Kotipelto の魅力を伝える優れた楽曲を発見することはできなかった。
頭領 Timo Tolkki のパートナーであり影の実力者 Jaki Kainulainen をはじめとする Jens Johansson,Jorg Michael らの強力無比な演奏は当然のこと、ヴァラエティ豊かな楽曲パターンでも STRATOVARIUS は他の類似バンドを圧倒しているが、その「多彩な楽曲」が諸刃の剣となって彼等に襲い掛かっている。本作の目玉となってる大作2曲も「おー、このカタルシスは大作ならではダゼ!」とはとても言い難い、起承転結の曖昧なものだった。
Timo Tolkki には悪いが、彼は「勢い」で押すことができない曲を構築するだけの引出しの中身を持ちあわせていないように感じる。そのため幼稚で画一的なアレンジが聞き手の集中力を削ぎ取ってしまうのではないか。
サウンドクリエーターとしての Timo Tolkki は、"S.O.S." で聴くことのできるようなシーケンシャル・ビートを初期の頃から積極的に導入するなど、ベース/ドラムのボトムライン周りを中心とするハイクオリティな音像の確保には只ならぬセンスを発揮しているだけに、それと反比例するような曲創りの稚拙さが残念でならない。
またギタリストとしても、少なくとも彼のギターが奏でるフレーズのフィーリングが私の感情に少しでも波風を立てたことは一度もない。Chris Impellitteri 同様に。

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