Impressions
BALANCE OF POWER / Book of Secret (1998)
投稿日: 1998/08/20
シンガーとギタリストという、HM/HRバンドにおいては「顔」とも言える部分を共にチェンジしての、まさに「再出発」にふさわしい力作。そのメランコリックなフィーリングたっぷりのドラマティックなハードロックは、80年代の英国の伝統を今に伝えることに成功している。(英国特有の「ダサさ」は未だ残ってはいるが・・・)
前作 "When the World Falls Down" は、メタルバンド然としたエッジの立ったメタリックなリフにまとわりつくPOPな部分が、どうにも中途半端な印象を植え付けていたが、本作では同様なPOPパートが、いい意味での「キャッチーさ」として機能するようになったのが最大の収穫。
この成功の何もかもが新メンバーによる活性の成果だろう。個性的とは言い難いものの明快で良く伸びる Lance King の声は、聴く人を惹き付ける何かしらスペシャルなものを持ち合わせているし、Pete Southern (ex.VANDAMNE) のツボを得たネオクラシカル・ギターヒーローぶりは全く持って頼もしいの一言で、その扇情的なフレーズの数々は、出来の良い楽曲と共に本作の最大の聴き所となっている。
満足度 : 84%