Impressions
RICHARD ANDERSSON'S SPACE ODYSSEY / Embrace the Galaxy (2003)
パクリッシュ鍵盤魔人 Richard Andersson の次なるパクリッシュ・プロジェクトがこの RICHARD ANDERSSON'S SPACE ODYSSEY。
相変わらず、何故に MAJESTIC と別名義にする必要があるのか?…という疑問がふつふつと沸き起こるこれまでの主な Richard Andersson 関連作品とほぼ同一路線のネオ=クラシカル・メタルなのだが、今回は・・・これまた凄いなぁ・・・。いや、何が凄いって、その超絶なパクリッシュ・テイストが!(笑)
冒頭の #1 "Despair and Pain" の限度を超えた「超 "Liar"」な仕上がりに早くもパクリッシュ・メーターの針はレッド・ゾーンに突入し、所々で軽く嬉しい眩暈を感じさせながらそのままラストまで突っ走る・・・。いやね、ホントね、明らかにその辺りのボーダー・ラインを判断する部分が脳ミソから欠落してますわ。誰か止める奴は周りに一人も居なかったのか?って感じ。(苦笑)
ま、それもそのはず。今回のベーシストはなんと Marcel Jacob。HUMAN CLAY でパクリッシュ前科者となった彼とのパクリッシュ・コラボレーションったら、マジ無敵かも。(って、Marcel は本作では特に曲作りには絡んでないみたいだけど…まいっか。前科者の宿命だ。/汗)
そんな卒倒もののパクリ満載の本作だが、これまでの作品同様にそれでも許せてしまう「何か」をキチンと存在させているのが、Richard Andersson の凄いところ。
シンガー Patrik Johansson (ex-STORMWIND~ex-Yngwie Malmsteen のドラマーとは同名異人ッスよ)の Apollo Papathanasio に通じるやや篭り気味ながら熱唱型ヴォーカル、ネオ=クラシカルな悶絶感をたっぷりと味あわせてくれる Magnus Nilsson のテクニカル・ギター、Marcel Jacob が久々に本領を発揮したネオ=クラシカル度が高くもグルーヴィな粘着ベース・プレイ、そして独特のエモーショナルな鍵盤捌きはもちろん DREAM THAETER 系の音色/プレイまでもがけっこう様になってる Richard Andersson のキーボードが織り成す北欧様式メタルからは、なんだかんだ言って好みの「空気感」を感じてしまうんだよな。
そうなってくると、パクリッシュな部分を耳にする度に、苦笑しながらも「今の絶妙な引用は超効果的!」とか思っちゃうから困ったもんだ・・・。(^o^;
(Aug. 26, 2003)