Impressions
イタリアン激熱エピック・メタル・バンド DOMINE の 4th アルバム。
題材としたヒロイック・ファンタジーの世界観をそのまま音にしたような勇壮メタルは、シンフォニックな装いをしていても骨格自体は 80's ピュア・メタル風味のいたってシンプルなもので、だからこそダイナミック場面転換や劇的なメロディがこのメタル魂をストレートに直撃する。
そして、相変わらず馬鹿馬鹿しいまでの暑苦しさを運んでくるのが、カリスマ・ヲサーン・シンガー Morby の特徴的なハイ=トーン・シャウト!
正直、ある時期まではこの DOMINE に対しては、"The Hurricane Master", "Thunderstorm", "Dragonlord" など一部の楽曲の凄まじいまでの殺傷力には悶絶させられていたものの、Morby の細かいヴィブラートとクセのある声質、そして Enrico Paoli のギター・プレイの稚拙さのせいでイマイチのめり込めずにいたんだけど、Wacken Open Air 2002 でその素晴らしいライヴを体験して認識は一変。その強力なハイ=トーン・ヴォイスの「クセ」こそがこの比類なき漢テイストの源であり、この DOMINE の最大の魅力だとやっと解ったよ。(苦笑) Enrico のギターは・・・とりあえず意識の外に置いてあまり気にしないことにして。(汗)
そうした慣れもあるにしろ(笑)、前作に続いて BEHOLDER の歌姫 Leanan Sidhe 嬢をゲストにメロウな描写にも一層注力していたり、疾走するリズム隊のアタックがさらに力強く逞しくなっていたりする本作は、バンドの格を全体的にスケール・アップしてきたような充実感が漲る、中堅実力派としての安定感を感じさせる仕上がり。
もちろん、その大仰な楽曲も従来通りの威力に満ちていて、♪あぁ~べぇ~どぉ~~みねあーべーどーみーねぇ~~~…ってなシンガロングが脳裏に焼き付いて離れない11分を越す大作 #4 "The Aquilonia Suite - Part1"、イントロの♪イヤァ━━━━━(゜(゜∀(゜∀゜(☆∀☆)゜∀゜)∀゜)゜)━━━━━ッ!! っつーお約束のヘナチョコ・シャウトに狂乱を禁じ得ない失笑いや疾走チューン #9 "True Believer" をはじめ、いかにもライヴで盛り上がりそうなラインナップ。どの曲もその劇的なメロディにしっかりとフックが存在してるのが強みだわ。
万一来日させちゃう際には、是非 MASTERMIND とカップリング組んで欲しいデス。Morby vs のりを の「ヲサーン・ハイ=トーン・バトル」(苦笑)が見たーい♪
(Nov. 22, 2003)