結成以来50年以上が経過、オランダを代表するベテラン・プログレッシヴ・ロック・バンドKAYAKの通算18作目のスタジオ作。
1999年にリユニオンしてからちょうど10作目となる本作でも、持ち前のプログレッシヴな劇的チューンとポップなAORチューンをバランス良く配合したいかにもKAYAKらしいサウンドが満載。クラシカルな優美さが溢れ出すドラマティックなタイトル・トラック#1 "Out of This World"、ダイナミックな壮麗シンフォニック・ロック#3 "Under a Scar"、ファンタジックなアトモスフィアに包まれた暖かな#6 "Critical Mass"、コンパクトながらメリハリの効いた名曲# "Red Rag to a Bull"をはじめ、第二（？もっと？）の全盛期かと思うほどの楽曲の充実っぷりに嬉しさが隠せない。
AYREONやSTAR ONEなどArjen Anthony Lucassen関連作品でもプレイするギタリストMarcel Singorによる情感と旨味に満ちた技巧プレイにも耳を惹かれっぱなしだ。
ちなみに、ベースは元PAIN OF SALVATION〜現PHILOSOPHOBIAのKristoffer Gildenlöw（前作『Seventeen』(2018)から加入）で、ムーディなバラード#12 "One by One"ではリード・ヴォーカルも披露している。