Impressions
しっかし、本当に存在感のあるシンガーだわ。一瞬聴いただけで声の主が解るという事実はあまりにも強いッス。
前作 "Mind Journey" に続いてまたもや ARTENSION での同僚 Vitalij Kuprij と同時期のリリースとなったこのソロ2作目で聴ける彼の成熟した歌声は、「熱唱型」の理想とも言え、本当に聞き応え満点だ。
但し本作においても John West の唯一の弱点と思われる「歌メロの単調さ」は相変わらずで、二拍三連のリズムに乗ったメロがこれでもかと頻発する様はどうにももどかしい。
が、そんな負の要素を一気に吹き飛ばしてしまうのが本作に参加した Jeff Kollman(EDWIN DARE), Scott Stine(ex? CRIMENY) の2人のテクニシャン。粒の揃ったネオ=クラシカルプレイと緩急自在の味のあるペンタトニックの絶妙なコンビネーションで、スリル/スピード/エモーションのすべてにおいて満足させてくれる。
そんな派手なギターフレーズで全編に亘って装飾された楽曲だが、その実態は極めてオーソドックスなアメリカン・メタル。様式美メタルに期待される欧州ロマンを想起させる部分は少ないものの、マイナーな旋律を生かした劇的な高品質ギターオリエンテッドHM に違いはない。良いですわ、コレ。
満足度 : 85%