Impressions
FAIR WARNING / Rainmaker (1995)
事ある毎にこのサイトのあらゆる場所で発言している通り、Uli Roth が好きだ。
だから helge Engelke も好き。従って彼の在籍する FAIR WARNING も好き・・・という三段論法でおしまいッ♪・・・ってわけにはいかんのでしょうね。 (^_^;)
初めて耳にした1st "Fair Warning" では、プレイの端々に堅さが見られるものの、"One Step Closer""Long Gone" に代表されるその哀愁たっぷりの切ないメロディと、ほんのりと憂いを湛えた爽やかなメロディの混在する彼等の音楽性はすでに完成されていて、充分に楽しめる楽曲が数多く詰まっていた。
そして満を持しての発表となったこの2ndアルバム、"Rainmaker" には本当に驚かされた。前作で見られたプレイの堅さは完全に払拭され、余裕で各人の「味」を感じさせるに至っている。そればかりか楽曲の方向性においても、こちらの想像を絶する懐の広さを提示してきたのである。ここに収録されているのは、典型的な哀愁HRばかりではなく、多彩なリズムパターンと各曲ごとに色彩の異なる緻密に構築されたアレンジによって輝く生命を与えられた、バラエティ溢れる名曲群だ。
確実に表現力を増した Tommy Heart の踏ん張りも称賛に値するが、やはり Uli マニアとしては全編にフューチュアされている Helge Engelke の師匠直伝の天空フレーズに感涙してしまうってのが正直なところだ。
と、締めたいところだが、このアルバムをこのコーナーに載るまでの存在に足らしめたのは、意外なことにもう一人のギタリスト、 Andy Malecek である。
彼はこのアルバム中最も私の心を捉えた様式HRナンバー "Burning Heart" において、全身が鳥肌で包まれながらモリモリっと脱糞してしまうほどの恐るべきソロを展開しているのだ。この曲、そしてこのソロが収録されていなければ、本作はこれほどまでに私の脳細胞を侵略しなかったであろう。
なお本作に続く "GO!" の頭4曲も、涙なしには聴けない MEGA チューンズだ。
FAIR WARNING は私の中での「King of 哀愁ハードポップ」の座を SHY から奪い獲ることに成功しつつある。