Impressions
IN FLAMES の 6th アルバムは、プロデュースに MESHUGGAH, STRAPPING YOUNG LAD を手掛けたことで知られ最近では DARKANE, SCARVE それぞれの新作、そして話題の NOCTURNAL RITES "Shadowland" でも先鋭的ヘヴィさにメロディを融合させて垢抜けたサウンドを創るその手腕を揮った話題のプロデューサー Daniel Bergstrand を迎え、ワールド・ワイドなエクストリーム・ミュージックへ脱皮せんとする決意に溢れた意欲作。
先にアドヴァンス音源を聴いた時には「こりゃダメだ・・・もう買わないかも」って思ってたんだけど、リリースに先駆けて都内で開催されたリスニング・パーティ以降のつとむの常軌を逸した盛り上げに洗脳されて(笑)つい買っちゃた。で、じっくり聴いてみたらこれが思ったより悪くないじゃん。
確かにイワユル Nu-Metal な風合いも大胆に導入されているし、各楽器の生々しい鳴り方も今風のサウンドに近い。が、その「ヘヴィ&モダン方向への変化」よりも、可聴域ギリギリのところで空間を彩色するアトモスフェリックなキーボードとドラム・ループとで間を埋めるアート・ワーク通りのクリアで緻密な混沌世界を演出するアレンジや、時にジャンプをも誘う爽快ですらあるキャッチーなサビが醸し出すコンパクト&スマートな進化の方がより耳を捉えてしまう。
それでも、独特のギター・フレーズの運びにいつになく絶叫するAnders Fridenの凄味が絡むのを聴かせるエクストリーム・メタルの芯は、根本的に何も変わっていないと確信できる。むしろ物議を醸し出しそうな曲にこそ、メランコリーが息づいていたりするしね。
しかし、それだけにスタイルの変化云々ではない以前から気になっていた楽曲/フレーズ/リズムのパターンの少なさがより浮き彫りになったようにも感じるし、慟哭を演出する悶々としたギター・ハーモニーの妙が堪能できる箇所が格段に減少したのも、正直寂しいなぁ。
これまでになくダイナミックでカッコイイ進化形メタルを生み出したことは間違いないと思うんだけど、過去の素晴らしい作品と比べると・・・複雑な心境ッス。