Impressions
ICED EARTH / Something Wicked This Way Comes (1998)
91年の "Night of the Stormrider" 以来疎遠になっていたが、久々の彼らとの逢瀬ですっかり見直してしまった。
ツイン・ギターやシンセ/ピアノ、アコギなどで欧州的叙情風味をたっぷりとまぶしつつも、それらは脇役に徹し主役はHEAVY METAL 本来のアグレッションとエネルギーを剥き出しにした硬派なリフ攻撃と、豊かな中音域でのメロディックな歌唱を中心としながらもドスの効いた唸り声からハイノート・スクリームまで多彩な表現力を備えたシンガー Matthew Barlow の剛健なカリスマ・ヴォーカル。
キャッチーでありながらメタルのエキサイトメントにも富んだ "Melancholy(Holy Martyr)"、哀しきバラードから一転、凄まじい激情エネルギーを噴出する "Consequences"、スラッシーな "Disciplesof the Lie"、勇壮なるメロディックなインスト "1776"、そしてドラマティックな組曲 "Something Wicked (Trilogy)" と、非常にヴァラエティに富みながらもそれぞれの曲がそれぞれの役割をしっかりと果たすよう、絶妙に配置されている。
明快なサビメロも本作の魅力で、それらはぶ厚いコーラスの質感のせいかなぜか唐突に「SHADOW GALLERY からプログレ臭を完全に取り去ったらこんな感じかな…」とも思ったりして。
ちなみに "Watching Over Me" でプロデューサーである大御所 Jim Morris がギター・ソロを披露しているが、北欧系タッチで結構巧いじゃん。ビックリ。
・・・「ヘヴィ・メタルとは?」 禅問答にも等しいそんな問いに、今日以降は堂々と「ICEDEARTH のことだ!」と答えられる!