Impressions
PROPHANITY / Stronger Than Steel (1998)
投稿日: 1998/07/20
"Allmen ain't made for Metal. But all metal is made for men!" というスローガンを掲げている事からも察する事ができるように、この PROPHANITY は「デスメタル」というスタイルに属するものの、NWOBHMが終焉を迎えメタルが新たなる時代を切り開いて行こうとしていた時代の SATAN や GRIM REAPER などのピュア・メタル・バンドのフィーリングをたっぷりと含有している。
"Stronger Than Steel" という、まさにその時代にありがちなタイトルを冠した本作の最大の魅力は、オーセンティックな手法で構築された旧時代的なギター・アレンジだろう。疾走するブルータルなデスメタルに、本作のプロデューサーである Andy LaRocque 的な適度にクラシカルでメロディックな旋律美が効果的に織り込まれていて、まずは「カッコイイ!」と言える線はクリアしている。
ただしアレンジにかなり未整理な部分が多く、薄っぺらい音質も手伝ってとっ散らかった喧しい印象を受けてしまうのが至極残念。
ラストを飾るボーナストラック "Swedish Steel(The Metalist)" はそのタイトルどおり、今は亡き「80年代B級HM」へのオマージュ。シンガーが普通のメロディックな声で(ハーモニーすらある!)メタルへの信義を切々と歌い上げる姿は、鋲付きパワーリスト&ガンベルトを身に纏いギターのネックを突き出すグループフォトとリンクして神々しいまでに超ダサダサだ!(←誉めてます。)
満足度 : 78%