Impressions
GREEN CARNATION / The Quiet Offspring (2005)
CARPATHIAN FOREST, EMPEROR, IN THE WOODS... らに関連したメンバーによる、ノルウェーのゴシック・メタル・ルーツのハード・ロック(?)・バンド GREEN CARNATION の 4th アルバムです。
メタリックな音圧で弾ける 70's ロック・アレンジと MY DYING BRIDE ~ OPETH に通じる陰鬱アコースティック・フィールを交錯させながら、先頃 TRAIL OF TEARS にも加入した Kjetil Nordhus (vo) のクリアな普通声が優しく響くという喩えようのないプログレッシヴなロック・サウンドは、この GREEN CARNATION 独特のもの。難しいながらあえて一番近いバンドを挙げるとするならば・・・うーん、DEADSOUL TRIBE あたりが適当でしょうか?
玄人受け必至のアダルトで深遠なロック・ヴァイヴが、それに共感を見出せる己のセンスの良さにたっぷりと悦に入らせてくれる・・・というタイプの濃密な一級品の音像ではありますが、冷静に聴くと実際の各楽曲はイマイチ即効性に欠けるまぁソコソコな印象だったりします。
しかしながら、ヘヴィな手触りの普遍的なロック・スピリットに包まれながらも、冒頭に挙げた各メンバーの経歴が伊達ではないこのバンドが“暗黒系”に属するという事実をしっかりと裏付ける幽玄なグルーヴの存在とその心地良さは、前述の“冷静さ”を融解するに十分な威力を持つ非常に魅力的な要素で、極上のシンフォニック・メランコリック・ゴシック・チューン #6 "Purple Door, Pitch Black" やドゥーミーな耽美が静かに染みこむ #9 "Pile of Doubt" ~ #10 "When I Was You" の流れなどは、今宵もアルコールと共にこの身を実にイイ感じに酔わせてくれるのです。
ちなみに、この GREEN CARNATION、2002年の Wacken Open Air に出演していたのですが、当時はあまり興味を惹かれてなくてついつい観るのをパスしてしまったことが、今にしてみれば非常に悔やまれます。
(Mar. 30, 2005)