Impressions
スウェディッシュ耽美派ゴシック/ドゥーム・メタル・バンド DRACONIAN の3rdアルバム。
Anders Jacobsson (♂vo) の煉獄グロウルと Lisa Johansson 嬢 (♀vo) のエンジェリック・ソプラノがドラマティックに絡み合う美麗なる暗鬱世界は本作でも健在・・・なんだけど、ちょっと、いや、随分とわかりやすい展開美を増加させて来ている感じ。
悲しみに彩られた極限の絶望を引き摺るスロー・パートのドゥーミィな味わいがもちろんメインではあるんだけど、それと同じくらい、キッチリと追われる旋律感をフィーチュアしたメロディックなアピールが迫ってくる感触は、これまでにないものだ。
それらは、この DRACONIAN の本質的な魅力を損なうものでは決してないんだけど、これまでは地獄の業火のさらに底に位置する最暗部で絶望を叫ぶ当事者の目線だったのに対して、本作はその地獄絵図を上空から俯瞰する第三者の目で描写したような「本気度の足りなさ」が少々物足りないというのが正直なところ。
いや、決して悪くはないんだよ。ただ単に前2作が凄過ぎたってことで。
(Jun, 10, 2008)
満足度 : 84%