Impressions
現 TEN の Vinnie Burns のハードエッジなギターをフューチュアした前作 "Blood from Stone" は Gary Moore もビックリのケルティックフレーズ満載の好HR アルバムだったが、今回のアルバムはそのケルティック/アイルランド風味はそのままに、最近「良質AOR 工場」と化しているレーベル、MTM と契約しただけあって、1st "Out of Silence" に近い、しかも更にメロウな味わいを見せるに至っている。
全体を包む靄がかかったような湿度の高さは ENYA、CLANNAD などのユーロ・ポップを想起させるが、そこかしこに配置された Andrew Moore (君もムーアかいな!?)の泣っき泣きギターが充分に Hard Rockであることを主張している。
そして何はさて置き、主役である Darren Wharton のハスキーな声質と気張らない唱法が導く、あくまで穏やかで甘く切ない哀しみのヨーロピアン・テイストが、とにかく心地よい。
ケルトの大地を思わせるタイトルトラック "Calm Before the Storm"、本年度MYベストチューンにノミネート確実な哀愁HR "Crown of Thorns" など、私のツボに嵌まりまくる哀愁のメロディ満載の逸品。
泣けまっせ!
満足度 : 92%