Impressions
米ニュージャージーを本拠に活動するマルチ・ミュージシャン Mike Walsh を中心としたメロディック・ハード・ロック・バンド DEPARTURE の 3rd アルバム。
アメリカン産業ネオ・プログレ風味のフックに満ちた充実の内容を誇る 1st "Departure" の登場に驚き、次なる 2nd "Open Your Mind" でのそれをさらにゴージャスに洗練させることに成功したサウンドにも感嘆させられたこの身としては、当然この3枚目にも期待は高まっていたのだが・・・。
大人のスマートさがギラリと輝く爽快で快活なハード・ロックはこれまで通りの質感ではあるんだけど、彼らが内包した(そして魅力でもあった)メロウな哀愁そして欧風な潤いが随分と後退したような。
バックの演奏の端々で聴かれる Mike Walsh 自身のウォームなギターを軸としたテクニカルな構築美は、いまだにこの DEPARTURE をただの歌物メロディック・ロックとしてだけではなく存在させるべく機能してはいるんだけど、聴いててどうも引っ掛かってこない感じ。比較的愁いを感じる #3 "Sacrifice" とインスト勢の感触にプログレッシヴな色彩が濃くみられる #5 "Down on My Knees" のみが辛うじて耳を惹く程度なんだよね。確かにクオリティも高く楽曲の出来も決して悪くないんだけどなぁ。全体のこれまでにない「明るいムード」が、オレの邪悪な心には眩しすぎるのか?(苦笑)
ヴォーカルも前任の Dave Baldwin (ex-TRADIA) の方が数倍好み。ニュー・シンガー Timothy Lewis ってすっげー Ted Poley っぽくない?
満足度 : 73%