デビュー・アルバムで、その美麗ジャケがオレの心をガッチリと掴んで離さなかったスウェーデン産メロディック・スピード・メタル・バンド AXENSTAR の 2nd アルバム。

前作でその片鱗を覗かせていたクッサいメロディが、今ここに「完成形」として提示された感のある本作は、まさに「化けた」という表現が相応しい飛躍を感じさせる一枚だ。

SONATA ARCTICA 的なキラキラと煌く瑞々しいメロディと STRATOVARIUS に通じる整合感を備えたハイ=クオリティな疾走メトゥは、ただメロディックなだけではなく強靭なリズムとガッツィーなリフが生むヘヴィ・メタルの骨太なタフさをも滲ませた逞しいものになってるな。

そんな各パラメータが炸裂する楽曲の中でも、イントロが流れ出た瞬間に無意識にガッツ・ポーズを取ってしまう #3 "Blind Leading The Blind"、SILVER MOUNTAIN のイナタさと LOST HORIZON 的な突進力が見事に融合した #4 "Don't Hyde Your Eyes"、ヘヴィにシンコペーションするドライヴ感が悶絶を生む #7 "Children Forlorn"、KISS という畑違いのバンドのカヴァーながら見事に自分たちの色に染め上げたボーナス・トラック #11 "Thrills in the Night" は特にイイ感じ。

どっかで聴いたことがあるようなメロディがデジャヴ感バリバリだったり（笑）、本家 SONATA ARCTICA 同様にドラムが単調だったり、ギター・ワークにどこか野暮ったさを感じる・・・ってなイマイチな部分も確かにあるんだけど、シンガー Magnus Eriksson の素晴らしい声質が全てを帳消しにしてるんだよね。（笑）

だって Magnus の声、Jonas Hansson (ex-SILVER MOUNTAIN) のあの「ダメダメなんだけど北欧っぽくてたまらない朴訥声」のフィーリングがたっぷり詰まってるんだもん。ほんと、初期北欧メタル・ファンには反則レベルでたまらん声ッスな。(^-^;

　(Nov. 07, 2003)