Impressions
Travis Smith の手による美麗極まりないアート・ワークが印象的なこの AXENSTAR は、スペインの ARISE RECORDS とサインしたスウェディッシュ XaMetal バンドで、星の数ほど存在するだろう STRATOVARIUS ~ SONATA ARCTICA をお手本にした典型的なヨーロピアン・メロディック・スピード・メタル・スタイルを標榜するバンドの一つだ。
印象的なメロディを武器に XaMetalic に疾走する楽曲は、さすがにデビュー作にして本邦デビューを実現させるだけあって、プレイ/プロダクション共にそのクオリティは一定レベルを軽くクリアしてはいるが、リズムの突進力といいメロディの激情具合といい、なーんか中途半端にお行儀良く収まってる感じ。稚拙で一本調子なアレンジも物足りないし、とにかく「AXENSTAR ならではの何か」がイマイチ見つからない・・・。
ただ、そうかといって聴いててつまんない訳ではないんだよね。クッサい叙情サビが青春万歳な強力チューン #3 "King of Tragedy" なんかを聴くと、前記した欠点云々はわかっちゃいるんだけど激しく悶絶しちゃう(苦笑)って感じで、ホント侮れない部分もあるもの。
意外と貫禄あるルックスを持つシンガー Magnus Eriksson によってやや無表情気味に朗々と歌われる、時に MONGOL800 ぽくっすらある(マジ)子供騙し寸前の朴訥なメロディ/ハーモニーの「空気感」が何故だか SILVER MOUNTAIN っぽさを感じさせるのも、「疾走 XaMetal」としてではなく別の意味でオサーン・メタラー的には◎だし。
満足度 : 79%