Impressions
TOBIAS SAMMET'S AVANTASIA / The Metal Opera Pt.II (2002)
EDGUY を率いる若き天才 Tobias Sammet が主宰するオール・スター・ロック・オペラ・プロジェクト AVANTASIA 待望の第2弾。
基本路線は、前作同様にシンガロングを誘うクワイアを交えたドラマティックな欧州型ヘヴィ・メタル。大部分は Part I と同時期に作られたとのことだが、何故か本作の方がよりヴァラエティに富んだ「ロック・オペラ然」とした印象だ。
オープニングから何故かエンディングのように(汗)壮大な展開を見せるまさにオール・スター・メタル・オペラ全開の14分の大作 #1 "The Seven Angels" が Oliver Hertmann の激唱と途中の Elton John 的英国ポップ・ロック風情のナイスさを特に印象付かせて始まるこの Avantasia Story は、Michael Kiske, Andre Matos そして Tobi がマイクを渡し合うも誰がどこ歌ってるかパっと判らなかったりする(苦笑)明快なサビの高揚感が疾走チューン #2 "No Return"、EDGUY のミドル・チューンとしても充分に OK な #3 "The Looking Glass"、Bob Catley のジェントルな英国歌唱が映えるピアノ主体のロッカ・バラード #4 "In Quest for"、David DeFeis 先生の無駄に熱いシャウトが電車の中でも構わず爆笑・・・いや悶絶を誘う(苦笑)漢メタル・チューン、#5 "The Final Sacrifice"(Part I の国内盤にはボーナスとして収録)、Rob Rock のストロングな歌唱に耳を惹かれる中庸にドライヴするオーセンティックなメロディック・メタル #6 "Neverland"、Tobi が Bruce Dickinson に成り切って歌うドラマティックなバラード #7 "Anywhere"、「♪Welcome to AVANTASIA~」という歌詞が物語るように本作のキーとなる重要な疾走チューン #8 "Chalice of Agony"(イントロが ELEGY みたい)、再び EDGUY っぽさ満点ながら中間のコーラス部での 70's アメリカン・プログレッシヴ風味に懐かしさを覚える #9 "Memory"、そして Sharon Den Adel 嬢の美声(Sharon ちゃんの麗しいお声が一瞬だけなのはどーゆーことっすか!? Tobi!?)に導かれて雄大なエンディングを迎える #10 "Into The Unknown"・・・と、全く隙の無い全10曲で見事に構成されている。
特に、疾走系な #2, #6, #8 あたりが、Alex Holzwarth の手数を繰り出しながら心地良く疾走するドラミングのおかげか、聴いて思わずクビが前後に振れてしまうってな充実のクオリティを見せているのが嬉しいわ。
Tobi 自身の歌唱も EDGUY の時よりもシアトリカルな歌い方で、随所で Bruce Dickinson を彷彿させている。オレはこっちの方が好きかも。前川 清も裸足で逃げ出す大きなヴィブラートは相変わらずだけどね。(苦笑)
欲を言えば、予定調和のフレーズを弾くに留まる Henjo Richter のスリル皆無なギター・プレイが弱点といえば弱点かな。