DIMMU BORGIR,CRADLE OF FILTH,MAYHEM, MORTEM らのブラックメタルバンドのメンバーによるプロジェクトだが、それぞれのバンドのどのアルバムをも軽く上回る内容を誇っている。泣きのギターとシンフォニックなシンセが弾き出すクラシカルな旋律を前面に押し出した非常にドラマティックな作品だ。随所に配置された女声コーラス担当 Sarah の天空に響く澄んだ美しい声がどの曲においても特別なアクセント／フックになっている。
妙な芝居がかったアート的要素は無く、大幅にHMに接近しつつも十分にデス/ブラックらしさを残した音像でコアなブラックメタルファンでも楽しめると思う。
特筆すべきは Hellhammer(MAYHEM)のドラムで、サウンドメイキング、パワー、安定感、シンバルワーク、フィルのセンスなど、どれをとっても一級品でこれだけの実力の持ち主がノルウェーの片隅で顔面白塗りで活動しているというのは非常にもったいない。
何としてもこの素ん晴らしいプロジェクトの継続を願うが、COVENANT として既にアルバム4枚分の契約を結んでいるらしいのでとりあえずは安心みたい。