Impressions

AMORPHIS / Silent Waters (2007)

投稿日: 2007/09/20

傑作となった前作 "Eclipse" にて混沌の地平に再び太陽を昇らすことに成功したフィンランドの英雄 AMORPHIS 期待の8thアルバムは、暗黒アグレッションと拡散サイケデリカを鬱美なメランコリーで纏め上げたその前作の延長線上といえる順当な作風。

引き続き祖国の民族叙事詩 "Kalevala" をテーマに繰り広げられる哀感に満ちた楽曲群は、参加二作目にして早くも看板シンガーの座を揺るぎなき物とした Tomi Joutsen (vo) が漢の哀愁漂うノーマル・ヴォイスと異獣の黒き咆哮を体内世界で闘わせる強力なタレンタビリティの爆発にグイグイと惹き込まれる。

・・・ではあるんだけど・・・うーん、"Eclipse" と比べてしまうと、パターンの類型化が少々気になるかも。。個々の楽曲を切り出してみると、それぞれ適度な民謡臭とゴシカルな荒涼感が交錯しながらキャッチーな印象的旋律を編み上げていく逸品揃いではあるんだけど、同じ指向を持った曲が平坦に連なる印象からか、作品としてクライマックスを迎えることなく気付いたら意外とあっさり終わってしまっている感じ。。

まぁそう言いながらも(繰り返しになるけど)個々の曲は間違いなく秀逸だし、前記の平坦さも今夏にWackenで体験した素晴らしいパフォーマンスの記憶がしっかりと脳内補完してくれるしで(苦笑)、超リピートしながら楽しめてマス。

 (Sep, 21, 2007)

満足度 : 84
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